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碧い雨の夜に…

第4章 【感情的に……】






フゥ~と一息ついて再び目を合わせた。
「えっと、何だっけ?」って一度戯けてみせて
「おい!キスだよ、キス…」とツッコんでくるのはわかっているから被せ気味に「出来るよ」って答えたら豆鉄砲食らったような顔。




「びっくりした?しないけどね」




「わわ、マジ?あ、ありがとう」




「え、なに?急に素に戻るじゃん」




「いや、それ聞けるとは思わなかったからさ、素で嬉しいわ」




「散々期待させてごめん、だから言いたくなかった、けど私らの関係ずっとこのままだよね?」




「一生、傍に居ます」




「ん?それどう受け取ったら良い?」




「友達として、同士としてで良いんじゃね?」




「じゃ、受け取るね?これからも宜しく」




「おう、ちょっと横になるわ」




ベッドに寝かせて布団を掛けたら手を伸ばしてきた。
“?”で居ると「手繋いでてもらって良い?」ってコレ受け入れるべきなのかな。
固まる私に慌てて言い訳してる。




「絶対に何もしないから、お願い、一度は好きな女の手握ったまま眠りたいのよ」




「いちいちソレ言うのやめて」




「はい、ごめんなさい」




黙ったまま顔だけ逸して手を握る。
「寝たら帰るね」って遠くの壁に向かって言ったら力ない返事が返ってきた。
しばらく沈黙が続いたけど、急に私の携帯が鳴るという気不味さ。
確認した途端、起き上がったアキラは握っていた手を引き寄せる。




「出ないで…っ」




もう酔ってる顔とは違う、素に戻ったアキラの真っ直ぐな視線にロックオンされるも、鳴り続ける携帯。




「あ、いや……出ないと、オーナーからだから」




「え、オーナー?そっか」って何を安心したの?
力緩めて「出て」と言われたから出た。
シーンとした部屋の中でガヤガヤと騒々しい音と共に「理世ー?どこー?部屋戻ってるー?」ってスピーカーじゃなくてもだだ漏れな大きな声。




「はい、すみません、戻ってます」




連絡しておくべきだったと反省。
皆はまだ飲んでいる様子だ。




___アキラ知らない?あいつもどっか消えたんだけどもしかして一緒?




「えっと……」








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