テキストサイズ

碧い雨の夜に…

第4章 【感情的に……】






「あ、ごめん、ウソ」




うん、わかってる。
そこまで根性ないってこと。
アキラは私に嫌われるのが一番のダメージだから。
パッと離れてくれて助かります。




「まだ酔ってるんだから早く寝な?」




「待って、ちょっと電話する」




「え、誰に?」




おもむろに掛けた相手はテツだとすぐにわかった。




「あのさ、ちょっと気を利かせて欲しいんだけど、俺酔ってないから理世と2人きりにさせて?来ないでくれると非常に有り難いです」




ちょっと!その言い方!
絶対に勘違いするじゃんと思って携帯取り上げた。
「あ、テツ?アキラ本当に酔ってるからお願い来て?私寝たいから代わってマジで」って懇願したけどまた取り返してあーだこーだ言ってる。




馬鹿らしくて帰ろうと立ち上がるも手を引かれて座らされる。
切った携帯ポイと投げて
「寝るまで手握っててくれないの?」ってまだそんなこと言うの?




「絶対に何もしないしテツ来るまでだからね」と言い聞かせて手を握る。
携帯を見ながら握っていると「何してるの?」って甘えた口調。
容赦なく切り捨てるね。




「彼氏にメッセしてる」




「うわ、悪女だね」




「え、今頃気付いたの?そうだよ、私、相当悪い女だよ」




クスクス笑いながらナオにおやすみスタンプ送ってる。
即レスで返ってきて顔がほころぶの。
全部見せてあげる。
私が彼氏とどれだけ仲が良いか。




「まぁ、それ含めて全部好きなんだけどな」って効果ゼロとかやめて。
「早く寝てよ」と冷たく言い放とうがアキラには効かないのだ。
ねぇ、恋人繋ぎやめて。
何回やり直してもそうしてくる。
こっちが疲れちゃって結局許す私はどうしようもないな。
大きな子供をあやしてるんだって思っておこう。




メッセでテツに(早くマジで来てピンチ)と送ったら割と早く来てくれた。
「アレ〜?テツ何で?どうしたの?」ってほら、相当酔ってるでしょ?
その後ちゃんと面倒見てくれて感謝だよ。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ