碧い雨の夜に…
第4章 【感情的に……】
空港でも色んな人に見送られ日本に戻って来た。
絶賛二日酔い中のアキラはずっと辛そうだったからスポーツドリンクを手渡すと「そういうとこな」ってどういうとこよ。
日本に着いたらそれどころじゃないから。
(絶対に迎えに行く)ってメッセージ見てニヤけが止まらないのよ。
やっと会える。
2週間ぶり?長かった。
超絶楽しい2週間だったけど、ナオが居ないのは違和感だらけで。
オーナーにも言ってるから荷物を受け取ったら別々に帰る。
「え、なに?理世帰るの?別々?」
「そうだよ、じゃあね」
アキラにそう言う私の目はもう遠くのナオを見つけてる。
「ちょ、お前…っ」と後ろから聞こえてきたけどもう走り出した。
何処に居てもすぐに見つけられるよ。
「ナオ…!」
キョロキョロしていたナオが私を捉えた。
優しい笑顔で迎えてくれる。
やっと触れ合えた。
同じ空気吸えてる。
同じ空間に居る。
「リセちゃん」って呼ばれてる。
ナオの声、目の前で聴こえる。
「おかえり」と腕の中に。
普通にキスされそうになって
「待って、人いっぱい居る」って本当は私も今すぐ欲しいけどあっちで色んな人に知られてしまった身だからちょっとヒヨる。
日本ではまだまだだけどね。
「帰ってから?」
「うん、帰ってから」
荷物も持ってくれて手を繋いで帰る。
他の皆は迎えの車で帰ったみたいだけど、一部始終見られてて皆がアキラに「元気出せ」って慰めていたようだ。
知らないうちに誰もが知ってる、アキラの無謀な片想い。
こんなに見せつけても怯まないのは最早長所ではないか。
「あ〜疲れたー!我が家〜!」
タクシーで帰って来て玄関に入った途端ナオに壁側に押し倒される。
少しだけ強引なキスも好き。
首に手を回して受け入れる。
「早くこうしたかった」って私のセリフでもある。
男の子バージョン、ようやく見慣れてきた。
センター分けの黒髪凄く似合ってる。
韓国で色んな色のヘアスタイルに囲まれてたから黒髪が余計に新鮮だ。
「ねぇ、まだ靴脱げてないよ」
「うん、我慢出来ないからこうしちゃう」
「わっ!」