碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】
「待って、理世ちゃんからちゃんと聞いてない」
「え?何を?」
もう挿れて欲しいのにこの寸止めはキツい。
「僕に本音話せてないでしょう?ちゃんと聞くまではこの先おあずけだよ?」
「え………?」
ウソでしょ?おあずけ出来るの?
ナオにとっても不利になるはずだけど?
ううん、目を見ればわかる。
本気で待てるやつだ。
私の為ならいくらでも待つ気でいる顔してるよ。
ズルいよ、完敗。
「………言ったじゃん、変な嫉妬して恥ずかしいの私は」
「うん、だから…?」
優しく諭す目。
ちゃんと目線合わせてくれて私の手を上から包むの。
「だから………その………」
え、何て言えば良い?
正解がわからない。
目が泳ぐ。
「僕をどうしたい?今、心にあるがままの言葉聞かせて?全部受け止めるから」
あ………ダメだ。
そんな風に諭されたら幾分溢れてくる。
「嫌なの………私のナオだもん」
「うん」
「仕事ってわかってるけど、受け止めるけど………ナオの身体触れて欲しくない、絶対上書きするから」
「うん」
「だから………抱いてよ、めちゃくちゃにして、忘れるくらい今日はナオとエッチしたい」
これ、言ってる傍から顔から火が出る勢いなんだけど。
ニコニコして聞いてさ、満足した?
「僕が、めちゃくちゃにしても良いの?理世ちゃんが、じゃなくて?」
あぁ、ズルい、その煽り方。
思わず飛びついちゃう。
「やっぱ私が抱く」と首筋に唇を這わせたら口角上げて悦ぶの。
シャツのボタン全部外して鎖骨から乳首へと舌を這わせる。
髪を撫でて余裕だね。
今すぐ壊れるほど抱き潰してあげるのに。
「ナオ、教えて…?どこまでならOK?」
「全部OKだよ、当分は肌出さない撮影だから」
それを聞いてすぐに鎖骨下にキスマークをつけた。
初めてナオにつける。
「待って、撮る」って記念撮影。
くっきりついた赤い印に嬉しそう。
まだ終わりじゃないよとスマホを取り上げて続ける。
息が上がってくる感じがゾクゾクして堪らないよ。
気付けば至る所にキスマークをつけていた。
唇に戻って舌を絡め合って。