テキストサイズ

碧い雨の夜に…

第2章 【本能的に……】






「ん〜そうだな、どうしよっかな」




「短いの好きだよ、お猿みたいで」




「猿かよ!」




「ちょ、ほら動かないで」




「適当で良いよ、冷めちまうから早く食いな?」




「ん〜こんなもんかな?ちょっとマシになったよ」




「お、サンキュ」




ふとした瞬間のダンスモードオフタイム。
スマホ見ながら「あ、これアキラに似合いそう」とスポーツメーカーの新作セットアップやスニーカーを見せる。




「来月の誕生日、それで良いよ」




「はぁ!?何で私が買うのよ」




「え、プレゼントくれないの?」




「いやいや、彼氏ならまだしも」




「彼氏には買うのかよ、俺こんなに頑張ってるのに〜」




「うんうん、頑張ってくれてる、それは認める」




「じゃ、ありがとうございます、楽しみにしてます」




「え?なんで?違う違う」




アホなやり取りもずっとこんな感じ。
笑いは絶えなくて幼馴染み故の対等な関係と見えない何かで繋がってるような。
一緒に居てこんな楽な相手は居ないの。




“アレってどう見ても付き合ってるカップルだよねぇ?”と周りにも思わせてしまうけど私とアキラは違うんだよ。
“理世って無自覚なの気付いてないのよ”
かもね、気を付けます。
でも今更、関係性変えれないし切っても切れない仲だから大目に見て欲しいというのは私の単なる甘え。




「え、ちょ、何で食べたの?私のなのに」




「ん?食べないのかと思って」




「うん、もうお腹いっぱい…にはなったけどめっちゃ食べさしじゃん」




「え、ダメだった?汚くないよ、理世のなら」




半分食べてご馳走さましたハンバーガー。
紙に包んでたけど残り全部アキラが平らげた。
私がいつも残すのを「だから太らねぇんだよ」と文句を言いながら食べようとする。
このご時世だから流石にそれは…と思ったんだけど。




「昔からそうだよね」と笑う。
何も変わってないアキラが可笑しく思えた。
残したら罰が当たるぞってよく言ってた。




「でも本当に汚いからやめて」




「は?勘違いすんな、お前の以外しねぇわ」




「理世のもダメ、ばっちいから」








ストーリーメニュー

TOPTOPへ