碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
美味しくてワインも進む。
でも、お酒の失敗は絶対に出来ないのでおかわりを聞かれたけど断った。
アキラも緊張してるのか、チラチラこちらを見ている。
「で、話って何?今日じゃなきゃダメなんでしょ?」
「お、おう、そうだった、そうだった」
言い出しそうで言い出さない様子に笑ってしまう。
何?言いにくいこと?言いなよ、聞くから。
目を合わせてもすぐ逸らすし。
「いや、やっぱり此処では…」って何なの。
場所移すの?待って、コースまだ出てくるよ?
「帰ったら理世、寝るだけじゃないだろ?」とかなりトーンを落として言ってきた。
「あ、また家でも踊るって思ってる?休ませるよ、身体クタクタだもん」
「でも、お前、今日の朝、間違って俺に言ったこともう忘れちゃったのかよ」
「ん…?何か言った…?」
勿論、覚えてる。
穴があれば入りたいくらいだったもん。
その後、普段通り接するの超頑張ったんだからね?
ぶち壊さないでくれる?
だから完成に寝惚けてたテイでいくよ。
「俺、それさせたくないからどうしても今日一緒にメシ食いたくなったの、悪かったな、引き止めて」
モグモグとコース料理を食べながら「ふーん」とよくわかんないフリをした。
アキラの気持ちは最初から気付いてる。
とどめを刺す断り方を何度も試してきたけど滅気ないのよ。
今まで彼氏が出来ても長続きしなかった私を見ていたからかも知れない。
「良いか?帰ったら寝るんだ、朝までぐっすりな」
「え、うーん………無理」
「おい、昨日の疲れ溜まってんだろ?知らない間に酷使してんだから身体労ってやらねぇと」
「わかってる、わかってるけど……」
一杯のワインが効いてきたのか、目がトロンとしてきた。
「わかってるけど何だよ?」って聞かれて頬杖ついて言ってやったんだよ。
「だってシたいもん、しょうがないじゃん」ってね。
普段は見せない顔でもしてただろうか。
「帰らせたくねぇ…」
「何でよ?帰るよ」
「もう一泊することにして俺ん家来れば?」
「絶対に無理、言っとくけど酔ってないからね?イケるかも、とか思ったでしょ?」
「うっ……クソっ」