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碧い雨の夜に…

第3章 【必然的に……】






「トイレはダメ」




「な〜んで?」




ベッドの上で少しじゃれ合って手を引いて洗面所まで。
寝起きのボーッとした顔の2人がシャキッとするまでしばしの時間がかかるようです。
歯磨きし終えてたナオは歯磨きしてる私を後ろから抱きついて離れない。




「ねぇ、デートする?それともお家でずっとラブラブする?」




答えは一択だよ、「デートする」
でも、変装しなきゃ。
顔バレしてるなら尚更。
キャップ帽深く被ってマスクしたら顔はほとんど見えない。
メイクする私に「リセちゃんだけズルい〜」と文句タラタラ。




私は別に変装なんてしなくて良いけど、キャスケット帽にマスク、細い黒縁の偽物メガネ……結局変装してるじゃん。
お揃いのブルゾンジャケットコーデでお互い休みだからデートしちゃいます。




電車に乗っても街歩いてても結局目立っちゃってジロジロ見られてる気がする。
でも楽しんだもん勝ち。
気にせず2人だけの世界でショッピングデートを楽しんだ。
行列にも並んでパンケーキも食べたし、UFOキャッチャーでアニメキャラのぬいぐるみもゲットしてお揃いのピアスも購入した。




普通のデートが一番楽しい。
立ち寄ったカフェのカウンター席。
マスク外してリップ塗ってたらマスク着けてって言う。
「あそこに居る男連中がリセちゃんのこと見てるから」とすぐに妬いちゃう。
それが可愛くて「え、どこ?」ってキョロキョロしたら更に怒るし。




結局マスク外してさ、ナオのマスクも顎まで下げてブルゾンごと引き寄せる。
どこの誰が見てるのか知ったこっちゃないけど、もし見られてるんなら見せつければ良いんじゃない?と私からキスをした。
目をパチクリして驚いている顔も可愛いよ。




「まだ見てるかな?彼氏と来てるってわからせれば良くない?」




「リセちゃん……不意打ちズルいよ」




「んふふ、要らない心配するからでしょ、ヤキモチ妬くたびにこういうことしちゃうから、私」




「もう………どれだけ惚れさすの」




「お、どうもありがとう」




ニッコリ笑ったら頬杖ついて顔を覗き込んでくる。
すりガラスになっていて外からはよく見えないけど、くっついてたら影でわかるかもね。








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