碧い雨の夜に…
第1章 【衝動的に……】
「友達の薦めで何となくやってる感じ…かな、今は」
「写真とかないの?」
「あ………携帯壊れちゃって」
「そっか、いつか見ても良い?絶対に綺麗なんだろうな」
「恥ずかしいです」
「ねぇ、ナオちゃん………」
「はい」
「ちょっとごめんね、触るね」と前髪を上げておでこを出してみた。
ジッと見つめ合ってわかったことがある。
というより、気付いてしまった。
さて、どうしたものか。
「え…?」と戸惑うのも無理ないよね。
「ナオちゃんって、男の子だよね?」
そう言った瞬間、目を見開いてビクッとされた。
前髪を戻して挙動不審になる。
でもその手を握って「大丈夫」って言ったら少し落ち着いて。
「何となくそうなのかな?って思って聞いただけだから、大丈夫、私は嫌じゃないよ?」
「あの、騙したみたいでごめんなさい」
「気にしないで、何だろ、ナオちゃんのことは信用…なのかな?よくわかんないけど大丈夫な気がする絶対的な信頼感?初対面なのにね、おかしいね」
「あの、私、こんな見た目なので襲ったりとか神に誓ってしませんので」
「アハハ、うん、わかった」
「どうして……気付いたんですか?他の人は絶対に気付いたりしないのに……」
「何でだろうね?私にもわからないけど、何かピンときたっていうか」
ジッと見つめられたら本当吸い込まれそうなほど大きな瞳が揺れる。
「綺麗だね」ってこの私が恥じらいもなく自然と口から零れてしまう。
ベッド使ってって言ったのに
「僕、メイク落とすと男の子なんで」と言ってソファーで寝ると聞かない。
その辺は気にするというか、気を遣ってくれているんだな。
ていうか、一人称が“ボク”になった。
不思議………見た目はまんま女の子。
モデルしてるだけあってスレンダーだし姿勢も良くて所作が綺麗。
緊張して眠れないだろうな…と思ったけど私は爆睡してしまいました。
朝は6時に起きてヨガから始まる。
アラームを止めてベッドで起き上がるとギョッとした。
寝室の仕切りはないからリビングとも繋がっていて、見えるところに三つ指着いて頭を下げている彼女が居た。
(いつから居たの?何時起き!?)