碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
どさくさ紛れに凄い事言っちゃったけど、もう言っちゃったものは仕方ない。
この後、事務所の方からもお話を伺って今後の契約も了承してくれて良かったね。
「まぁ、ダンサーさんなの?格好良いわね」なんて言ってもらえて滅相もない。
ナオも動画見せて力説するからやめて、恥ずかしくて死ぬ。
「で、結婚するの?」と不意に聞かれて固まる2人。
真っ赤な顔して何言ってるかわからない私たちに爆笑してる。
「それくらいの気持ちはある」って宣言してくれて嬉しかった。
「じゃ、今度は2人で韓国帰ってらっしゃい、お父さんにも会わせるでしょ」
思いのほかトントン拍子に話が進んでて頭が追いつかない。
え?え?本当に!?良いの!?
「忙しいと思うけど、家族に会ってやってください」
「は、はい!是非」
勢いよく返事してしまった。
まさか“結婚”というワードが出て来るとは思わなかったから。
ホテルまでお見送りしてようやく2人きりでの帰り道。
「何かごめんね?色々と言われちゃったけど……その、僕はそのつもりで居るので…勝手にそんな感じにしちゃったけどリセちゃんの気持ち聞くべきだったよね、ごめんなさい」
手を繋いで帰っててごめんなさいしちゃうんだ?
そこは黙ってついて来いじゃないんだ?
「アレって………プロポーズ!?」
「えっ!?いや、あの、それは!!ちゃんともう一度言う機会をください……ちゃんと申し込みたいので」
「アハハ!何で敬語?」
ギュッと握っていた手を引いて歩く足を止められた。
顔を覗き込むと恥ずかしそうにして。
「今日はずっと傍に居てくれてありがとう、凄い心強かったしリセちゃんで本当に良かったって思った」
「いーえ、こちらこそ、あ、惚れ直した?」
「………うん」
「はい、素直〜デレデレ〜」
「え、ダメ?」
この可愛くてあざとい聞き方が好き。
「ツンツンが良いの?出来ないよ〜」と可愛い顔して言う。
バッチリメイクしたままの女のコバージョン。
どこからどう見ても女のコだけど、欲情してしまうのは私だけか?
たまに私ってそっち系なのかなって思っちゃう時がある。