カッコ悪い俺ら
第5章 エアコンと合鍵
――――――――――――――――――――――――…誰…だ?
通り過ぎる男性は、ふわりと…颯太のアパートの香りがした…
父…親――――…?
俺の脳裏に……
颯太の父親の存在が割り込んできた――――…
怒鳴っていた――――…あの…颯太が…
ズキンズキンと、何故か――――…心臓が痛くなった!
颯太が――――…傷ついていた…
また――――…
泣いてる――――――――…?かもしれない――――…
そう、思うと…
俺は急いで颯太の部屋の前まで駆け寄り――――…
ドアを叩いた――――…
ドンドン――――…
「―――――颯太…俺だ――――…」
ガチャリ…
静かに――――…
本当に――――…静かに…
玄関のドアが――――――――――――…開いた…