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秒針と時針のように

第1章 gloss

 ジュポと音を立てて掻き回す。
 枕に突っ伏した忍は今、どんな顔をしてんのかな。
 指を抜くと、縋るように孔が収縮した。
「今、あげるから」
 オレは自身をあてがうと、少しずつ埋め込んだ。
 心ごと犯すように。
 半分もこないところで、先端が前立腺に触れる。
 腰が揺れた。
 だが、動かない。
 シーツに爪を立てる忍を見下ろす。
 それからギリギリまで抜き、また同じ場所まで挿入する。
 イケない快感。
 どこまで耐えられるか、オレは歪んだ笑みで楽しんでいた。
 グジュ。
 ズズ……
 グジュ。
 繰り返し。
 忍がガリガリとシーツを引っ掻く。
 鼻を啜る音も聞こえる。
「なあ、素直になっちゃえば?」
 答えない。
「どうして欲しいかさ」
 忍が頭をベッドに押し付けて、口元を上げる。
 話せるように。
「……てめぇだって……限界のクセに、余裕ぶんなよ」
 振り向いた顔が笑う。
 怒りに満ちた笑い。
 だが、オレにはそれが挑発に見えた。
 手を伸ばして忍のを握る。
「ぅあッッ」
「限界はどっちだよ。さっきからダラダラ零しておいて」
 爆発しそうなソレの根元をギリと締め付ける。
 射精出来ない苦しみに忍が悶える。
「……ッく……ああぐッッぅああ」
 いつまでも聞いていられる。
 オレはそのままでさっきの律動を始めた。
 忍が拳で力無くベッドを叩く。
「ナニ? 忍」
 口からは唾液と精液が垂れ落ちる。
「ハァハァ……」
「ここまで来て何に躊躇ってんの? 楽に楽しめばいいのに」
 締めたまま裏スジを軽く引っ掻く。
 キュウッと中がうねり、オレは顔をしかめた。
「…だけ……ろ」
 譫言のように忍が呟く。
「聞こえない」
 頭を引き摺るようにこちらに向け、グシャグシャになった顔で訴える。
「…てめぇが狂っても、てめぇだけなら……俺が……あとでちゃんと正気に、戻してやれるだろ」
 手が緩む。
 瞬間、忍が声を上げて達した。
 ボタボタと白濁を流して。
 オレは腰を掴んで微笑んだ。
「そんなの心配しないくらい狂わせてあげるよ、忍」

 ガンガンと打ちつけ、忍の泣き叫ぶ声に酔いしれる。
 昼になった外からの明かりが裸体を照らし、それが余計に燃える。
 仰向けにさせ、抱き締めながら繋がる。
 出歩けない位キスマークを付ける。
 忍。
 オレの大事な幼なじみ。

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