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もうLOVEっ! ハニー!

第15章 何も叶えぬ流星群


 自分が嫉妬に弱いことは知っていた。
 明るい素振りで隠していても、穏やかならない暗雲がいつの間にか心を蝕んでいく。
 岳斗は瞬きも忘れて苦しそうなかんなを凝視する。
 言葉にはせんよ。
 出さんよ。
 でもなんで……
 過ぎってしまうんやろ。
ー俺の中古で良ければご勝手にー
 入学式の日のつばるの言葉が反芻する。
 今日までどこに隠れてたん。
 忘れろや、んなもん。
 最悪なタイミングで蘇る。
 こんな姿を、奴にも見せたんか。
「っや、怖い……ッ」
 怯える声に腕の筋肉がぴくつく。
 今すぐ力を抜かんと。
 細い首に、抵抗する小さい手。
 よじった太ももが汗でぐっしょり濡れている。
 ポケットからゴムを取り出し、口で中身を取り出すと、既に痛いほど固くなった自身に手早く付けて、首を絞めたまま挿入する。
 用意していた自分に自嘲が溢れる。
「っは、あッ」
 シーツに垂れるほど濡れたそこはスルリと受け入れて、離さぬようにと収縮する。
 ぐ、と関節を喉元に押し込んで、電撃が走るように中がうねる。
「や、ば」
 親指で自分の着けた赤いキスマークをなぞる。
「うあうッ」
 その小さな動きすら、恐怖に目が歪む。
 それを見てやっと手を離すことが出来て、かんなを抱きしめる。
「ごめん。苦しかったな……好き、ほんまに好き」
 ひとつに繋がった安心感が嫉妬の雲を晴らしていく。
 段々激しくなる動きに甘い声が跳ね上がる。
 ベッドの軋む音と喘ぎに耳から脳まで滾らせる。
「あッ、や……そん、な」
 仰け反り快感に身を委ねる姿に、笑いが込上げる。
 それから首をもたげるのは独占欲。
 濡れそぼった指先をかんなに咥えさせて、涙が溢れる眼にぞわぞわと興奮を高める。
「気持ち、ええ?」
 こくこくと頷きながらも、イイトコに当たったのかビクンと跳ねる。
「き、もち……ッいい」
 一生懸命言葉に出そうとするのが可愛らしくて、何度も唇を重ねる。
 くぐもった声にズチュズチュと音が耳を犯す。
 舌の裏を舐り合って、荒い鼻息をぶつける。
 甲高い声が漏れ出し、呼吸のために口を離す。
 汗にまとわりつくシャツを脱ぎ捨てて、かんなの片脚を持ち上げ自分の肩にかけると、もう片脚を跨いでそのままさらに奥にと体重をかける。
 今までと違う角度に驚いたようにかんなが声を上げる。
「こっちのが、好き?」

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