もうLOVEっ! ハニー!
第3章 追いかけてきた過去
シャワーを固定して、立ち尽くす。
視線を腕から肩、鎖骨、腹、太股に移動する。
痕が残る体を淡々と確認する。
ぺたんとタイルに座った。
止めどなく水滴が顔にかかる。
目を閉じる。
映像が浮かぶ。
急いで目を開ける。
それから顔を手で覆った。
「う、く……うう」
泣き声がシャワーにかき消される。
処理された下半身が、余計に見るに耐えなかった。
どうせなら、グチャグチャのまま放って欲しかった。
着替えを済ませて布団を干す。
キッチンに入り、グラスに水を注ぐ。
溢れては捨て、また注ぐ。
四杯目でやっと口に含んだ。
それがスイッチになったようにゴクゴクと飲み干す。
喉が渇いていた。
すごく。
やっと収まってから、流しのシンクに手を付き、もたれかかった。
ああ。
頭が痛いです。
ああ。
全身が痛いです。
嫌な夢。
誰かそう言ってください。
史上最悪な夢。
誰かそう片付けてください。
あの時もこうやって何度もお祈りした。
何事もなかったように姉の隣で眠るあの男を見て。
八時十分前を告げるチャイム。
食堂に向かう時間。
重い足で廊下に出た。
それから向かいの扉を数秒見つめ、急いで美弥の部屋をノックする。
「あれー。今日ははやいね、かんな。お腹すいたの?」
まだ寝癖の残る髪を撫で付けながら美弥が出てくる。
あの白いジャージ姿で。
「おはようございます」
「んー。ちょっと待ってね。鍵忘れちゃった」
パタンと閉まる音と、すぐに開く音。
後ろから。
視界の端に、早乙女つばるが映った。
視線を腕から肩、鎖骨、腹、太股に移動する。
痕が残る体を淡々と確認する。
ぺたんとタイルに座った。
止めどなく水滴が顔にかかる。
目を閉じる。
映像が浮かぶ。
急いで目を開ける。
それから顔を手で覆った。
「う、く……うう」
泣き声がシャワーにかき消される。
処理された下半身が、余計に見るに耐えなかった。
どうせなら、グチャグチャのまま放って欲しかった。
着替えを済ませて布団を干す。
キッチンに入り、グラスに水を注ぐ。
溢れては捨て、また注ぐ。
四杯目でやっと口に含んだ。
それがスイッチになったようにゴクゴクと飲み干す。
喉が渇いていた。
すごく。
やっと収まってから、流しのシンクに手を付き、もたれかかった。
ああ。
頭が痛いです。
ああ。
全身が痛いです。
嫌な夢。
誰かそう言ってください。
史上最悪な夢。
誰かそう片付けてください。
あの時もこうやって何度もお祈りした。
何事もなかったように姉の隣で眠るあの男を見て。
八時十分前を告げるチャイム。
食堂に向かう時間。
重い足で廊下に出た。
それから向かいの扉を数秒見つめ、急いで美弥の部屋をノックする。
「あれー。今日ははやいね、かんな。お腹すいたの?」
まだ寝癖の残る髪を撫で付けながら美弥が出てくる。
あの白いジャージ姿で。
「おはようございます」
「んー。ちょっと待ってね。鍵忘れちゃった」
パタンと閉まる音と、すぐに開く音。
後ろから。
視界の端に、早乙女つばるが映った。