もうLOVEっ! ハニー!
第4章 暴露ゲーム開始
つばるとの思い出はそれほどない。
というより家族との記憶自体あまりない。
母親はオレの素行に早々に見切りをつけて、弟だけを構うようになった。
別に弟に劣等感を感じていたわけじゃない。
むしろ関わりたくなかった。
親の期待に応えて生きる弟は、まるで感情がないように見えたから。
テストでは上位。
生徒会にも推薦されるほど教師から信頼感を得ている。
対してオレは停学を数度喰らうほどの問題児。
住む世界が違う。
そんな風に見ていた。
一回だけ、つばるがゲームセンターに連れて行って欲しいとねだってきたことがある。
母親はバカの集まる場所だと、一度も連れて行ってくれなかったからだと。
仕方ないから近所の行きつけの場所に行った。
あの時、生まれて初めて格闘ゲームをやった弟の目を見て思ったんだ。
ああ。
こいつも同じ血を引いたやつだったって。
そっくりだった。
目つき。
やり方。
多分、親がいなければ双子みたいに似ていたかもしれない。
けれどそんなこと思うには遅すぎた。
とっくに弟に興味を失っていた俺は、中学二年のつばるを残して家を出た。
そして、華海都寮に来たんだ。
二年ぶりの再会。
隆にいに内線で連絡をもらってからまず思ったことは、なぜ、だった。
なぜ、来た。
なぜ、ここに。
いくらオレと思考が似ているからって、まさか同じ学園の同じ寮なんて。
午後二時。
止まったタクシーから降りてきたつばるを見て固まった。
自分を見ているようで。
違うのは、髪型だけ。
背もほぼ同じ。
歩き方も。
オレを見つけて足が止まった。
第一声は。
色々予想していた。
けど、どれも違った。
「兄貴に似てるね、あんた」
無表情で、そう言い放った。
隆人が眉をひそめる。
オレは、ただ笑うしかなかった。
「そうか?」
誤魔化して。
家族の縁なんて、とっくに無くなってたから。
というより家族との記憶自体あまりない。
母親はオレの素行に早々に見切りをつけて、弟だけを構うようになった。
別に弟に劣等感を感じていたわけじゃない。
むしろ関わりたくなかった。
親の期待に応えて生きる弟は、まるで感情がないように見えたから。
テストでは上位。
生徒会にも推薦されるほど教師から信頼感を得ている。
対してオレは停学を数度喰らうほどの問題児。
住む世界が違う。
そんな風に見ていた。
一回だけ、つばるがゲームセンターに連れて行って欲しいとねだってきたことがある。
母親はバカの集まる場所だと、一度も連れて行ってくれなかったからだと。
仕方ないから近所の行きつけの場所に行った。
あの時、生まれて初めて格闘ゲームをやった弟の目を見て思ったんだ。
ああ。
こいつも同じ血を引いたやつだったって。
そっくりだった。
目つき。
やり方。
多分、親がいなければ双子みたいに似ていたかもしれない。
けれどそんなこと思うには遅すぎた。
とっくに弟に興味を失っていた俺は、中学二年のつばるを残して家を出た。
そして、華海都寮に来たんだ。
二年ぶりの再会。
隆にいに内線で連絡をもらってからまず思ったことは、なぜ、だった。
なぜ、来た。
なぜ、ここに。
いくらオレと思考が似ているからって、まさか同じ学園の同じ寮なんて。
午後二時。
止まったタクシーから降りてきたつばるを見て固まった。
自分を見ているようで。
違うのは、髪型だけ。
背もほぼ同じ。
歩き方も。
オレを見つけて足が止まった。
第一声は。
色々予想していた。
けど、どれも違った。
「兄貴に似てるね、あんた」
無表情で、そう言い放った。
隆人が眉をひそめる。
オレは、ただ笑うしかなかった。
「そうか?」
誤魔化して。
家族の縁なんて、とっくに無くなってたから。