もうLOVEっ! ハニー!
第4章 暴露ゲーム開始
壱○九号室。
その中の椅子に腰掛け、隆人は複数の書類を見つめ固まっていた。
何度も鼻先から納得いかないと言うような息が漏れ、鬱屈した空気を漂わせる。
六度目となる脚の組み替えをしたときだ。
「入るわよん」
白衣姿の鳴海が颯爽と扉を開けた。
わざとではないかと思うほど胸を強調したブラウスに一瞬視線が奪われるが、すぐに書類を机に放った。
「調べてくれた?」
三日前、隆人は鳴海にある頼みをしていた。
彼女は頷く代わりに机の反対側の椅子に腰を下ろす。
肘をついてふぅっと息を吐くと、あまり気乗りしない声で答えた。
「あの糞ダヌキに頭下げるのはもう懲り懲りよ……けど収穫はあったわ。あんたのいった通りだった」
「そうか」
糞ダヌキとは理事長のことか。
それとも生徒のデータを管理している教頭のことか。
どちらにせよ大差無い。
七度目の脚の組み替えをする。
「目的はなんだと思う?」
「さあ。家族といざこざあって急いで来なきゃならなくなった、元々書類に不手際があった、もしくは」
「書類の不手際はあり得ない。家族といざこざあってなら逆に遅れるのが普通だよ。もしくは、なに?」
鳴海がむっと口をつぐむ。
こういう時は隆人の方が上手だ。
「知らないけど、問題児らしい早乙女つばるが来ると聞いていてもたってもいられなくなっちゃったとか」
「んー……早乙女つばる、ね。でも彼女とつばるの関係性はなかったんでしょ。松園かんなはともかく」
「あくまで私が調べられたのはここ二ヶ月程度の話よ。それに……」
鳴海が不満そうに宙を睨む。
「ああいう若いうちからアホやってる男の人脈なんて把握するのは月に飛ぶよりややこしいのよ」
「宇宙飛行士に失礼じゃないか?」
「ふん。そんなもんよ」
その中の椅子に腰掛け、隆人は複数の書類を見つめ固まっていた。
何度も鼻先から納得いかないと言うような息が漏れ、鬱屈した空気を漂わせる。
六度目となる脚の組み替えをしたときだ。
「入るわよん」
白衣姿の鳴海が颯爽と扉を開けた。
わざとではないかと思うほど胸を強調したブラウスに一瞬視線が奪われるが、すぐに書類を机に放った。
「調べてくれた?」
三日前、隆人は鳴海にある頼みをしていた。
彼女は頷く代わりに机の反対側の椅子に腰を下ろす。
肘をついてふぅっと息を吐くと、あまり気乗りしない声で答えた。
「あの糞ダヌキに頭下げるのはもう懲り懲りよ……けど収穫はあったわ。あんたのいった通りだった」
「そうか」
糞ダヌキとは理事長のことか。
それとも生徒のデータを管理している教頭のことか。
どちらにせよ大差無い。
七度目の脚の組み替えをする。
「目的はなんだと思う?」
「さあ。家族といざこざあって急いで来なきゃならなくなった、元々書類に不手際があった、もしくは」
「書類の不手際はあり得ない。家族といざこざあってなら逆に遅れるのが普通だよ。もしくは、なに?」
鳴海がむっと口をつぐむ。
こういう時は隆人の方が上手だ。
「知らないけど、問題児らしい早乙女つばるが来ると聞いていてもたってもいられなくなっちゃったとか」
「んー……早乙女つばる、ね。でも彼女とつばるの関係性はなかったんでしょ。松園かんなはともかく」
「あくまで私が調べられたのはここ二ヶ月程度の話よ。それに……」
鳴海が不満そうに宙を睨む。
「ああいう若いうちからアホやってる男の人脈なんて把握するのは月に飛ぶよりややこしいのよ」
「宇宙飛行士に失礼じゃないか?」
「ふん。そんなもんよ」