どこまでも玩具
第3章 枯らされた友情
瞬きする間もなく、口を開かされ、濡れたティッシュを何枚も押し込まれた。
「ふぐッ」
余りに強い刺激に喉が悲鳴を上げ、舌先から水分が奪われる。
涙は溢れても、声は出ない。
類沢はその状態の口を塞ぎ、マスクを付けた。
一気に呼吸が難しくなり、オレは必死に抵抗するが、両腕を拘束されているので何も出来ない。
「お前には興味無かったんだけどさ」
ギリッ。
ロープのような何かに腕を縛られる。
最早、無力と化したオレを、類沢は一番端のベッドに押し倒した。
それから直ぐにカーテンの向こうに消え、施錠の音と電気が消えるスイッチの音が響く。
「……ふ……んんッッ」
どれだけ首を振ってもマスクは外れないし、舌を動かしてもティッシュは出て行かない。
このまま窒息死すんのかな。
いや、そんなに楽じゃないか。
紅乃木は屋上で煙草を煙らせながら腕時計を確認する。
六時四十分。
金原からの連絡、なし。
フー……。
白い煙が夕日に染まる。
この朱が好きだ。
自分の髪も、この朱に近づきたいが為の色にした。
実際は、夕日に比べたら酷く汚い色に見えて仕方がない。
部活の終了時間が過ぎ、ユニフォームのまま校門に向かう生徒たち。
カラオケがどうのとか、デートがどうのとか騒いでいるのを見下ろして、切なくなった。
本来なら自分たちも、あの一員に入るはずなのに。
なんで瑞希だけ。
なんで自分たちだけ。
「みぃずき……」
紅乃木は煙草を校庭に弾いた。
落ちていく煙草を眺めていると、少しだけ気が紛れた。
「ふぐッ」
余りに強い刺激に喉が悲鳴を上げ、舌先から水分が奪われる。
涙は溢れても、声は出ない。
類沢はその状態の口を塞ぎ、マスクを付けた。
一気に呼吸が難しくなり、オレは必死に抵抗するが、両腕を拘束されているので何も出来ない。
「お前には興味無かったんだけどさ」
ギリッ。
ロープのような何かに腕を縛られる。
最早、無力と化したオレを、類沢は一番端のベッドに押し倒した。
それから直ぐにカーテンの向こうに消え、施錠の音と電気が消えるスイッチの音が響く。
「……ふ……んんッッ」
どれだけ首を振ってもマスクは外れないし、舌を動かしてもティッシュは出て行かない。
このまま窒息死すんのかな。
いや、そんなに楽じゃないか。
紅乃木は屋上で煙草を煙らせながら腕時計を確認する。
六時四十分。
金原からの連絡、なし。
フー……。
白い煙が夕日に染まる。
この朱が好きだ。
自分の髪も、この朱に近づきたいが為の色にした。
実際は、夕日に比べたら酷く汚い色に見えて仕方がない。
部活の終了時間が過ぎ、ユニフォームのまま校門に向かう生徒たち。
カラオケがどうのとか、デートがどうのとか騒いでいるのを見下ろして、切なくなった。
本来なら自分たちも、あの一員に入るはずなのに。
なんで瑞希だけ。
なんで自分たちだけ。
「みぃずき……」
紅乃木は煙草を校庭に弾いた。
落ちていく煙草を眺めていると、少しだけ気が紛れた。