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碧と朝陽

第4章 緑川碧

碧side

勢いで会ったばかりの朝陽にプレイをお願いしてしまった。
しょうがないと言えばしょうがない。教室に入ってきた時から朝陽は、少量ではあったが、甘い香りを纏わせていたんだから。

(誰も何も感じないのだろうか?)
(そうか、俺がDomだから……あの子はSubなんだ)
(でもなんで……?)

俺はその日、授業なんて全く集中できなかった。

授業の後、たまらず俺は朝陽に話しかけ、カフェに連れて行った。が、朝陽の話を聞いて驚いてしまった。

白昼堂々プレイをするのもどうかと思うが、それを制止しに行くなんてもっとわからない。
Subなんだったら余計に危ない。

(だからこんな甘い匂いさせてるのか……)

正義感が強く、自分に無頓着な朝陽が心配になった。

ぶわっ
急に甘い香りが強まる。

見ると朝陽は、涙目で頬を赤らめ、肩で息をしている。

(急にどうしたんだ!?)

自分でもなんでだかわからないようで、戸惑いや不安が感じ取られた。

まずい。カフェにどんなやつがいるかわからない……。
俺は咄嗟に朝陽の手を引いていた。

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