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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「じゃあ私たち、誰かに拉致されたってこと?」

「……かもしれません」

「月ちゃん、顔見た?」


 シェリーの問いに、月は首を左右に振る。


「迂闊でした、もっと周りを警戒するべきだったのに……」

「私も全く気配が感じなかったわ」


 拉致されたとしたら、一体誰がなんのためにここへ連れてきたんだろうか?


「まさか鬼……なわけないわよね?」

「そういえばシェリーさん、山の中で見たんですよね?」

「えっ……」


 シェリーはハッとした。
 そういえば自分は滝のそばで武藤に襲いかかる鬼を目撃したのだった。
 

「まさか私、狙われてる!?」

「えっ……」

「鬼見ちゃったから、殺されちゃうの!?」


 シェリーは軽くパニックになった。


「シェリーさん、落ち着いてください! とりあえず、出口を探しましょう」

「出口って……どっちなの?」


 洞窟は一本道だった。
 月は目を閉じて耳を澄ますが、何もわからない。果たして右側に進むべきか、左側に進むべきか悩んだ。
 


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