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【参加型小説】尾仁牙島

第10章 儀式

 なんて単純なのかしら、とめきゆは思った。


 案の定、一人になった途端、部屋の中に鬼のお面を被った男たちが入り込んできたのだ。正確には部屋の床から。


 なんと、隠し階段があった。階段を下りると狭い洞窟に出て、ずっと奥まで連れて行かれた。


(犯人はやっぱり、この島の男たちだったのね。村長が黒幕かしら)


 めきゆの思った通りだった。
 きっと千代たちは同じように連れて行かれて、洞窟の何処かにいるはずに違いない。


「へへっ、今年は大漁だなぁ」

「いい女揃いだから、あいつらも喜ぶだろう」


 鬼のお面を被った男たちが下品に笑う。さっき後ろから何かを嗅がされためきゆだったが、とっさに息を止めた。そして眠ったふりをして、男に担がられた。


(担いでもらって良かったわ。こんな歩きにくい場所、厚底靴では疲れてしまうもの)


 ちなみに男たちは、松と梅の存在には気づいていない。松と梅は忍びの家系のため、隠密行動ができたのだった。




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