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【参加型小説】尾仁牙島

第6章 乗船

 それから一行は、フェリー乗り場に一時間遅れで到着した。武藤はバスの運転手とともに、トランクから荷物を出す。


「皆さん、荷物を持ってフェリー乗り場に向かってくださーい」


 参加者たちは各自荷物を持ってフェリー乗り場へと向かった。


「柚里さん、荷物持ちますよ」

「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ、これくらい。普段はもっと重たい物持ってるので」

「そうなんですか? あ、仕事は何されてるんでしたっけ?」

「看護師です。小児科で働いてます」

「へえ〜看護師! いいですね、柚里さん優しいし、すごく合ってると思います」

「そうですか? ありがとうございます」


 また柚里と小夏の距離が近づいた。しかしそこへ千代がフラフラと近づく。


「や〜ん、荷物重〜い」

「千代さん、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃないよぉ。小夏くん、手伝ってぇ〜」


 どうやって持ってきたのか、千代は大きなバッグをズリズリと引きずった。


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