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【参加型小説】尾仁牙島

第8章 尾仁牙島伝説

「武藤さん、大丈夫なのかしら……」

「あんなひどい怪我、初めて見ました。本当に猪に襲われたんですか?」


 めきゆと隼斗が心配そうに、武藤が寝ている部屋のドアを見つめる。二人以外もユウ、小夏、月が武藤の回復を祈っていた。


 村人たちの協力で宿に運ばれた武藤は、看護師の柚里に手当てを受けていた。
 この島に病院はない。医師もいない。病院に行くなら、本土まで渡らなければいけなかった。
 そしてシェリーたちが無事に宿に戻ってきたあとは、看護師の勇治も手当てに加わった。


「どうやら猪じゃないらしいんです」

「猪じゃない? まさか、熊?」

「信じられないかもしれませんが、鬼……にやられたそうです。柚里さんが、武藤さんがそう言っていたと言っていました」


 小夏はそう言うと、柚里のいる部屋のドアを不安げな瞳で見つめた。


「鬼って……あんなのですか?」


 隼斗が宿に出入りする村人の男たちを指差す。男たちは皆、鬼のお面を頭につけていた。



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