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『エリーゼのために…』

第1章 エリーゼのために…

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 僕はガマンができなくなって、両手で舞香ちゃんの脚首を掴み、頬ずえをつき、ストッキング特有のザラザラとしたナイロン繊維の感触を感じる。

 あぁ、久しぶりのストッキングは堪らない…
 僕は心の奥からうっとりと、そして、心が震えてきていた。

「あ…ん…し、駿くん…」
 舞香ちゃんも僕に両手で脚首を掴まれ、頬ずりされて…
 うっとりと昂ぶっている様に見える。

 あぁ、このままこのストッキング脚にしゃぶりつき、抱き締めたい…


 だけど相手は舞香ちゃんなのである…
 葵さんとは違うんだ。

 それに、今日、いきなりのこんな展開の流れになってしまっただけで…

 お互いの気持ち、想いの確認をしたばっかりで…

 そしてまだ僕達は中学三年生なんだ…

 18歳だった葵さんとは違うんだ…

 僕は頬ずりをしながら、必死に心を自制する。

 だが…

「あ…ん…し、駿くん…あ、ん、くすぐったい…」
 舞香ちゃんが少し紅潮した感じでそう囁いてきた。

「あ…う、うん」
 すっかり興奮し過ぎてしまっていた。

「あ、ううん、ね、ねぇ…」

 だが、しかし…

 舞香ちゃんは紅潮した顔で…

 そして昂ぶりで濡れた瞳で…

「ね、ねぇ、き、キス…

 キスしたこと……ある?」

 そう、言ってきたんだ。

「えっ?」

 僕は更にドキドキしてしまう…

「キスしたことある?」

「え、あ、あ…」

 キス…

 葵さんと散々してきた…

 いや、葵さんとの関係により、ほぼ、舞香ちゃんの想像の遥か上を行く体験をしてきていたのだが…

 さすがに本当のことは言えない…

「あ、い、いや…」

 なんかウソが見抜かれてしまいそうで、下を向いてそう答えた。

「……き、キス………して…」

「え…」

「キスしよ………」

 舞香ちゃんは震える声で、そう囁いてくる…





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