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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第5章 カタログ NO 4 とあるカップルの週末

その白と水の青のチャペルに

こっちこっちと嬉しそうにしながら

ゆりかが入って行って

「ねぇねぇ、イメージ見たいから
写真撮って?石黒さん」

そう強請る様に言われてしまって
ズボンのポケットから
スマートフォンを出すと

撮って撮ってと言っている
ゆりかのドレス姿を
カメラに数枚収めた

「悪くねぇな」

ぼそっとそう言うと
ふふふっゆりかが
嬉しそうに笑っていて

「似合ってる?」

「まぁな」

「可愛い?」

「…、まぁ…な」

そう言いながらそっぽを向いて
視線を逸らされてしまって

そう言った石黒さんの

ちょっと耳薄っすらと赤くなってたから

照れちゃってるのかなと思うと
石黒さんのこう言う所は
可愛いよなぁって思ちゃう

「…っ、笑うんじゃねぇよ、馬鹿タレが」

「ええ?だって、可愛いからっ
石黒さん、可愛いもん」

「…ーーーーいい」

何かを小さな声で石黒が言って来て

何だったのかなと

旨く聞き取れず 

こっちが首を傾げていると


「バッカ、お前っ、一回で聞き取れよ。
お前の方が、可愛いつった…んだよ。
いや、言うな。俺ァ何も言わねぇ。
もう、言ったかんな」

「…………」

言うなと言ったからなのか
ゆりかが黙り込んだまま
何も言わなくなってしまって

何も言われないのも
それはそれで
言ったこっちが恥ずかしくなるのだが


「デレた?」

「デレるか!」

「えー?」

「えー、じゃねぇよ。悪いかよ?」


「ううん、悪くない。逆にいいっ。
石黒さんっ、好きッ」


「ここは外だっつってんだろーがっ」

思い切り照れた石黒に
デコピンされてしまって
ジンジンと痛む額を
涙目になりながらゆりかが押さえる

「痛いっ、石黒さん照屋」

「誰が照れ屋だ、誰がッ!!」

「でも、石黒さんの
そう言う所、好き…かも?」

さっき 好きって言い切って
俺に デコピンされたから
今度は 不定詞にして来たな コイツ

チャペルの見学の後は
説明を受けた会場で
フルコース試食会になっていた

披露宴仕様にセッティングされた
試食会の会場からは

別室に居る新郎新婦の様子が
モニター中継で見れる様になっている

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