テキストサイズ

おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第9章 カタログ NO 7 たまにはこんなデートでも

抱き締めて来るその腕の力が
強すぎる位に強くて
苦しくて息が詰まりそう

苦しいのに それと同じ位切なくて

この 息苦しさを感じるほどの腕の力が

不死川さんの気持ちなんだって思ったら

緩めて欲しいなんて…言えないよ 私

自分の中に留めて置けない位に
募りに募って 溢れに溢れた

今 目の前に居るこの人が好きだって
その感情が 自分と言う器に
留めて置けなくなってしまって

その 感情が 好きが

自分の目から涙になって零れて溢れる

ツゥ――ッと一筋 溢れて頬を濡らす

その 一滴を 

「悪い、苦しかったか?」

そうこちらに問い掛けながら
申し訳なさそうにして
その雫を 石黒が己の唇で受け止めると

ピトッと自分の頬を
ゆりかの頬に押し付けて来て
スリッ…とその頬を擦って摺り寄せる

先程までの 激しさの無い
ゆっくりとした抽送で
身体を揺すられて
私が言葉を紡ぎやすくしてくれて
待ってくれているから

ううん…と 苦しかったんじゃないよと
石黒に伝える様にして
ゆりかが首を左右に振る

「そうじゃない…んです、律さん。
苦し…、かったんじゃ…んんっ、無いんです。
私、さっき、感じてた…からっ、
自分が、どれだけ沢山…、律さんの事が
好きか…ってこと、も、それだけ…じゃなくて」

「俺が、どれだけ、ゆりかん事が
好きかって事も、感じてたとでも言うんだろ?
んな事ァ、言うまでもねぇだろーがよ。知ってらァ」


ホラ やっぱり

石黒さん ズルい…ッ

私が 沢山 沢山

石黒さんが 好きって事も

石黒さんも 私の事…が 好きって事も

全部全部 知ってるんだもん

やっぱり ズルい…って 思っちゃう


「やらねぇでもねぇ」

そうボソッと何かを呟いて来て
声が小さくて聞き取れなかったけど

私がきょとんとして
それが聞き取れてないのを見ると
明らかに不機嫌そうな表情に
石黒の顔が変わって行って

「バァたれぇ!聞き逃してんじゃねぇ。
んたく、しゃーねぇやつだなァお前はよ。
言って、やらねぇでもねェつったんだ、俺は」

「言ってくれる?…って??何…ッ、ンぅんッ」

こっちに黙って居ろと言いたげに
石黒が自分の唇を重ねて塞いできて

額に掛かる髪を手で除けて来て
コツンと額を合わされた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ