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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第3章 カタログNO 2 呼びたい男と呼ばない女 後編

「何をですか?」

「その恰好も、化粧も、髪も全部…
もしかして、俺の…為…だったり?」

「お好み…かは、知りませんけど。
私の親友がしてくれました」

はぁ~~っと
宇梶が突然 その場でしゃがみ込んで
自分の額を押さえたままで
深い深いため息を付くと


「何それ?俺、マジで
恰好悪いじゃん。最悪」

「足りないとは思ってるんです。
私じゃ、全然、足りないって」

俺はその時 どんな顔してたのか
俺にも わからなかったが

「宇梶さんも、そんな顔するんですね」

「は?俺の顔?」

「いや、今凄い、
カッコ悪い顔してましたよ?」

「なぁ、どうしてくれる訳?
俺を、こんなにしてさぁ?
どう、責任取ってくれんの?」

そうしゃがみ込んだままで
いじけた様な顔をしながら言って来て

「えっ?責任…こっちが
取る感じなんですか?」

「だって、俺の事をさぁ、
あいりが貰ってくれる感じでしょ?
知ってると思うけど、俺ね。
自慢にもなんねぇけどさ、
どうしようもない奴よ?こんな俺でもさ、
良いと、思って言ってるんじゃないの?」

何も言わないままで
目の前にすっと あいりが
宇梶に視線を合わせる様にして

しゃがみ込むと ニコッと笑顔になって

「だったら、宇梶さんを
カッコ悪い宇梶さんにしちゃった
責任を、私に取らせて貰っても?」

「なっ、何?その感じっ。
あいりさ。カッコ良すぎない?
男前過ぎじゃない?はっ、マジ、惚れそ」

ニコニコと目の前のあいりが
こちらを見て笑っていて

「宇梶さんは、可愛いですね」

「はっ、バッカ!男に可愛いとか
言ってくれちゃってさ、酷くない?
それも俺みたいなさ、男前に
失礼じゃない?」

「でも、可愛いですよ」

「圭吾…」

そうボソッと小さい声で言って来て


「ああっ、もう、だからっ
圭吾って呼んでくれたら、許す…」

「特別に?」

ムスッとした顔をしている
宇梶の顔を見ていると
こんな表情をするんだと

驚いてしまうし

可愛いってまた 言ってしまいそうだ



「圭吾さん」

「……もっかい」


「圭吾さん」

「…もっと、呼んで…名前、俺の」


「圭吾さん」

「ん…」


自然と距離が近づいていて

そのまま お互いの唇を

引き合う様にして寄せようとした時


『ねぇ見てっ!キスしようとしてるぅ~!!』

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