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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第33章 『決戦は土曜日に…第二部』


案内された個室は…長方形の…
10人掛けのテーブルがあって……。

あちら側には椅子が5つ並べてあるのに
向かい合う形に……こちら側には
不自然に椅子が2つだけになっている。

社長たちの間に空いている椅子には
まだ座るべき人物は座っておらず。

社長たちと向かい合う…様に置かれている
テーブルの中央に2つだけ不自然にある椅子に
俺と明日香が座ると。

部屋の奥の襖がガラガラと開いて。

部屋の中に入って来たのは
今日結婚式に行っているはずの
俺の妻の美月と…スーツ姿の
30代ぐらいの折り目正しい男で。

そのスーツの男の襟には…
金色が一部剥げていて銀色に
なりつつあるひまわりの花を模した
バッチが付けられているのが見えて。

年齢は…まだ30代ぐらいだが
弁護士としてはベテランの域に居る
弁護士…を妻が連れて来たのだと分かった。

「その顔を……見ると…、どうして
友人の結婚式に行ったはずの
私がここに居るかは…
わかってるみたいね、あなた」



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