テキストサイズ

はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第7章 『静と言う名の女とオムライス』


カチャ…とオムライスをスプーンですくって、
仁が一口自分の口に運んだ。



僕が…いい子にして、親父と家で待ってたら。

お袋は…帰って来てくれるって…、そう思って

いや、そう…自分を…思い込ませていた。

でも…、それが…、2日、3日…1週間…

10日が…過ぎて…半月が経過して。

1ヶ月…2ヶ月…と…日が過ぎる度に…。

純粋にお袋の帰りを待ちわびる…感情が…。

段々と…自分は…

お袋に…捨てられたんじゃないかって、

今頃お袋は…親父じゃない別の男と住んでて…とか

そんな事を…思う様に…なっていて…。

疑いから恨みにも似た…感情へと

自分の中で変わって行くのを感じて居て。


そんな自分が嫌になって、

お袋の事を考える事もやめた。

今日の…さっきの…静の話を…聞いて、

お袋が他の男に…走って逃げた訳ではないが…。


もう…、家に…

戻って来るつもりは…無いんだなって。


それだけは…、僕も…小4から中2になって

理解…する事は…できた。

理解すると言えば聞こえがいいが、


諦める…と言う事を、

単に僕が憶えただけなのかも知れない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ