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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第8章 『仁さんの初体験』

一応、本人に対しては、親父って言わずに

…父さんって呼んでるんだけど。


『お前…、歳、幾つになったんだ?』

『え…、14…だけど…』


自分の息子の年齢位…憶えとけよ…。

この親父らしいと言えば…らしいけど…。


静が…、空いている皿や食器や鍋を

いそいそとキッチンのシンクへと運んでいて。

僕と親父の会話の邪魔にならない様に

水の量を調整しながら、洗い物を始めていて。


こんな気遣いが…出来るのも、

真由美と静が違う辺りでも…あるし、

親父が静と続いてる理由なのかも知れないけど。


『14か…、なら、そろそろいい頃だな』

『いい頃って、何の話?』

『仁、お前…今、
付き合ってる女…っと、彼女は居るのか?』

『何…ッ、突然…、別に…居ないけど…ッ』


ニヤッと…仁の言葉を聞いて、
親父が口の端を曲げていた。


『そうか、なら…、丁度いい…。
静、片付け済んだか?このまま部屋に来い』


夕食が済んで、後片付けが終わったばかりの静に

さっさと部屋に戻って来いと言って

自分は…飲んだ後のグラスを

テーブルの上に置いたままにして、

シンクの持って行こうともせずに。

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