テキストサイズ

はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第10章 『次の日の朝』


そう言いながら、
貴虎が仁に近づけて来る顔を
ぐいっと仁が手で押さえつて
自分の顔から離させると。

『離れろ、貴虎…顔が近い…ッ。
お前の顔がいいのは…認めるが…。
僕は…男には…、興味ない…からな…?』

「ねぇ、仁。仁は…仁のお父さんと…
同じ…仕事…するつもり…ないの?
仁が…そのつもりがあるならさ、
口聞いたげるよ~?俺が」

貴虎がニタニタと笑みを浮かべながら、
仁に対してそう言って来て。
またこっちに顔を近付けて来るので
ガシッと…その顔を掴んで引き剥がした。

「ちょっと。仁ぃいいん。仁ぐらいだよ?
俺のこの顔の扱いがそんな、適当なのッ」

『悪いが…、貴虎。
俺は…今の生活に満足してんだよ…』

今のアルマーニのスーツに合わせたのか、
何時もよりも低い口調で仁がそう言って。

そう言い放った仁に、
貴虎がぼ~っとして見惚れていて。
ハッと我に返った顔をする。

「何?仁。何、今の?
仁、…イケメン過ぎて
俺、ビックリしちゃった。
女だったら、股濡らしちゃってたかも…触る?」

『触らない。お前の股には生えてるだろうが』

「けちぃ~」



ーー
ーー
ーー


目立たない場所に車を停めて、
ターゲットである
短小店長の到着を待っていた真奈美の
スマートフォンにLINEが届いて。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ