はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
貴虎さん…って、
線が細くて、見た目が若く見えるけど
確か、仁さんの同級生のお友達で…。
なんか…この辺を牛耳って居る
鬼島組って…ヤクザの組長さんの
…次男さん…だったはず…だ。
その人が…私に何を…くれたのだろうか…?
可愛げも何も無い茶封筒を
開いて、真奈美が覗き込むと。
そこに入って居たのは、
県内にある
サファリパークの優待チケットだった。
『ああ、それ
サファリパークのチケットだったんだ。
随分…長らく行ってないな…、
まぁ折角貴虎が優待券くれたんだし、
明日は…本舗のお仕事はさ、
臨時休業にして、慰安旅行でもする?』
「え?良いんですか?
本舗、臨時休業にしちゃって…も」
『本舗に相談に来る人って、
仕事してる人が多いから、
週末が多いし。平日だったら
留守電にして置いたら大丈夫だって。
事務所の戸締りもしてあるから、
臨時休業って書いた紙でもさ、
明日の朝に本舗に寄って、
本舗のドアに貼って置けばいいって。
明日は、別に予約とか何も入ってないし。
今日は、景子さんも満足して帰ったから…。
流石に今日の明日には、
お呼びだしは…無いと思うんだよねぇ~』
貴虎には…、感謝…かなぁ…??
真奈美ちゃんの頑張りは
褒めないとなって思ってたし。