はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第12章 『真奈美と仁』
その写真の中の2人は…
幸せそうに笑って居て。
仁さんは…どんな気持ちで…、
この写真を…
ここに置いてるんだろう…って。
そんな事を考えながら、
その写真を…
静かに真奈美が眺めていると。
ぬっ…と後ろから手がこちらに伸びて来て、
真奈美の手にあった
写真立てを…真奈美の手から奪い取ると。
ベッドの枕元の所に
外から目に触れない様にして、
写真が見えない様にして伏せて置いてしまって。
「じっ、仁さん…、
起きてた…んですか…ッ…。
あのッ…、すいません…、
仁さんの…大事な物…、
その…、勝手に見てしまって…ッ」
写真を見た事に対して怒ってるのかと、
慌てて真奈美がその事を謝ろうとするが。
『別に…、
それは…怒ったりしてないよ。
真奈美ちゃんが謝る事じゃないし、
僕が…見える場所に
出したままにしてた僕が
それは悪いんだから…。
じゃあ、僕は…あっちに戻って
寝るから…、真奈美ちゃん、おやすみ』
「あっ…、仁さん…って、行っちゃった」