はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』
広大な敷地の中には、
サファリパークと
遊園地があって。
夏はプールは家族連れで賑わう。
サファリパークへは自分達の乗っている
この車で、そのまま猛獣達が
放し飼いになっているエリアに
自分で運転して、自家用車でそのまま
サファリゾーンへ入って行くスタイルで。
入口のゲートで、優待券を見せると
そのままどーぞと言われて
車をサファリのエリアへと進めて行く。
『そう言えば…、真奈美ちゃんは…
姫島は初めてなの?来た事ある?』
「えっと…、
児童養護施設の…行事で…。
他の子と一緒に
バス旅行で……来ました…」
と…咄嗟に…そう答えてしまったが、
一番最初に来た時は
真奈美がこども園に行っていた頃で。
仁さんのお父さんである、
茂木純二おじさんと
お母さんと一緒に来た事があった。
「あの…仁さんは…」
『ああ、貴虎と薫と…高校の時に
夏にプールに…行った事あるし…。
ああ、萌花とも…
デートで来たことあるけど…。
最初に来たのは…
親父とお袋と…来たのが最初かな?
ああ、その頃は、まだ
ばあちゃんも生きてたから、
じいちゃんと
ばあちゃんも一緒だったけどね』
「仁さん…虎ッ、虎が居ますよッ…」
私がスマートフォンで
写真が撮りやすい様に。
仁さんがゆっくり車を運転してくれて。
大きな身体をした虎をカメラに収めた。