はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第14章 『慰安旅行・翌日』
『わざわざ僕の顔…
見に来て下さったんですか…?
すいません、景子さんも。
それに、美幸さんも…
ありがとうございます…』
「いえ…、ご連絡をお受けした時は
私も肝を冷やしましたけど…。
意識が戻られたとお聞きしましたので。
成田さんに…お誘いして頂いたので…、
余り長居しては…、
お身体に触りますでしょうし…」
そう言ってお見舞いを置いて
2人は帰って行ってしまったのだけど。
景子さんからは…
シャインマスカットが入った
高級な果物の盛り合わせを。
美幸さんからは
世話の要らないプリザーブドフラワーを
お見舞いにと頂いてしまって。
同室者や世話の不要さに配慮して
プリザーブドフラワーにするとか、
その場限りじゃなくて、帰ってからも
本舗に飾れそうなデザインの
アレンジメントだから。
「仁さん、
ここに頂いたお花飾りますよ?」
『うん、ありがとう、真奈美ちゃん。
でも僕、お世話して貰わなくてもさ。
両手も使えるし、足も何ともないんだよ?』