はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』
「監視カメラ…を…広域にして
その…人物の足取りを追ってみます。
どこまで追えるか、わかりませんが
…その男性が特定出来たら…、
仁さんのLINEに情報…送りますね」
『うん、ありがとう…真奈美ちゃん。
でも…そこまで調べたら
真奈美ちゃんが疲れちゃうだろうし
ほどほどで…良いよ?
真奈美ちゃんが無理しすぎない程度でね?』
「とりあえず、仁さんのスマホに
森園の住んでいるアパートの
地図情報を…送付して置きますね」
こう言う感じの…”お仕事”を
している時の真奈美ちゃんは
これ以上ない位に、頼りになる
僕には勿体ない位に、
優秀な仕事のパートナーだ。
仁が夫婦円満本舗を後にして、
車に乗り込んでシートベルトを締めると
真奈美ちゃんが、LINEに
森園が今住んでいる、
伊藤雄介のアパートの地図を頼りにして。
車を走らせた。
その頃、仁が…出て行った後の
夫婦円満本舗……では、
パソコンのディスプレイを見ながら。
真奈美がむぅ~んと口を尖らせていて。
「真奈美が…無理しない程度…で
いいよ…って…、仁さん…
何か……この間から…妙に…
真奈美に…優しい…気がします…ぅ…」
今までは…割と…、
こっちに勘違いをさせないためになのか。
仁さんは…適当に…雑な感じに、
真奈美の事を…扱って、
そう言う態度で接してた感じなのに…。
「あの言い方は…ズルすぎます…。
あんな風に…言われちゃったら
真奈美だって、ついつい
…頑張っちゃいます…よ…?仁さん」