テキストサイズ

はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第31章 『決戦は土曜日に…第一部』



「お前に千尋や千尋の家族を
悪く言う資格はない…」

その前嶋の言葉は静かで
声や言葉を荒げたりはしてないが
ゾクゾクっとするほどの殺気が
その言葉には込められていて。

ムービーは場面が切り替わって。

森園のキャラが…小林のキャラに
妊娠したから結婚してと
迫っているシーンに切り替わる。

森園と付き合っていた期間の
性交渉は必ず避妊していたし、
森園が妊娠したと思しき辺りは
小林は研修で3日間
東京に出張をしていたので
自分が子供の父親である
可能性が低いと言う事を
小林のキャラが説明していて。

托卵とか最悪と言う声が
あちこちから聞こえてくる。

実際の音声をお聞きくださいと
テロップが動画に表示されて。

バンケットルームのスピーカーから
別れさせ屋の女性工作員の声には
加工を入れて。
森園の声はそのままで
自分の子供が結婚した伊藤雄介の
子供でもなく、ましてや
小林壮太の子供でもなく…。

子供の父親は…遊亀正樹であると
話している音声が流れて。

―“きゃはははあっ、うけるぅ、無いって
そんなんじゃないって、違うって。
陽斗は…まーくんの子供だって。
あのオッサンの子供じゃないよ~。
だって、私は昔から、
生は、まーくんだけだもん“―

バンケットルームに設置されている
スピーカーから流れて来る
自分の声に森園も驚いた様子で。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ