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もう奴隷のように犯されるのはイヤ…

第10章 【衣食住を提供する対価で股を開く少女】








おい、何だこれは………
寒空の下、薄着で裸足の少女が飲食店のゴミ箱を漁って食べれるものなら何の躊躇いもなく口に入れてる。
俺に気付いても食べる手を止めない。
髪もボサボサで顔も汚れてる。
ズボンも穴だらけじゃないか。
家出か…?いや、親なんて居るのか?
まだ幼い顔した少女が腹をすかせて手掴みで咀嚼している。
他の通行人もチラ見しては足早に通りすがる。


「おい、何してる?家は?」


気付いたら声を掛けてしまっていた。
首を横に振ってそそくさと漁り両手いっぱいに残飯を取って逃げる態勢に入る。
よほどお腹をすかせていたのだろう。
すぐに追いついた。
首根っこを捕まえ「家来るか?」と口から出ていた。
臭うから風呂も入ってないんだろう。


警戒していたが「飯なら残飯じゃなくてちゃんとしたの食わしてやるよ」と食事を約束したらあっさり付いて来た。
誘拐か?違う、これは保護だ。
親は帰ってこなくなったらしい。
育児放棄か。
歳はいくつだ。
わからないと言う。
学校にも勿論行ってなくて。
見た目は、小学生みたいだ。


とにかく家に連れて帰り、風呂に入れた。
痩せこけてても垢だらけだ。
洗うと透き通るくらい白い肌をしている。
警戒してなかなか寝ないから
「取って食ったりしねぇから安心して寝ろ」と仕事へ行く準備をする。
弁当配達のアルバイトをしている俺こそカツカツの生活なのだが、あれは見て見ぬふり出来なかった。
すぐ別の悪い奴に連れて行かれると勘が働いた。


日に日に心も開いてきたか、俺が帰るのを心待ちにしてやがる。
飯にありつけるからな。
コンビニ弁当も飽きてきたな。
だが、嬉しそうに頬張る姿は見てて気持ち良い。
名前はなかなか教えてくれねぇ。
自分の名前が好きじゃないみたいだ。
母親を思い出すのだろう。
だからユミと名付けてやった。
何となくだ。
それすら嬉しそうにする。
学校は行きたくないらしい。
そのうち捜索願いとか出されるのか?
そうなると俺は捕まるか?
まぁ、良い。
ろくな人生じゃなかったんだ。
間違った人助けだったとしても俺にはそれがお似合いさ。
50年生きてきて楽しかったことなんて何一つない。
何人か居る連れは競馬や麻雀をしなくなった俺を付き合いが悪くなったとでも思っているだろう。


仕方ねぇ、コイツ飼い出したからよ。






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