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12歳年下の彼に溺愛される話

第4章 巴の引っ越し


『僕の家にも…ヨギボーの
要らないクッションあるんで、
今度の水曜日に持ってきますね。
沢山置いたら、この上でふたりで
ゆっくり出来そうじゃないですか?』

「この猫ちゃんのクッションも
もちもちで、気持ちいいのに。
ヨギボーなんて、あったら。
ずっとこの上で、ゆっくりしちゃって、
ここから動けなくなっちゃいそう」

もちもちの…弾力の…
ビーズクッションの猫ちゃんの
感触に癒されながらしっかりとした
マットレスの上で
2人で寛いでゴロゴロしていると…。

引っ越しから3日目にして、
かなりリビングが快適な
癒しの空間になっていた。

『あ、僕、コーヒー淹れて来ますね
巴さんも飲みますよね?』

「うん…ありがとう…」

港斗がキッチンにコーヒーを
淹れに行ってしまったので。
脚付きマットレスの上にひとりになる。

「猫ちゃんのクッション可愛い…」

しっかりとしたマットレスの厚みもあって、
マットレスの上に直接カバーだけ
掛けている状態だが、
寝転んでも身体が沈み込み過ぎず
適度なクッション性があって、快適だった。

もちもちの感触の、おめめが大きい
お饅頭みたいなフォルムの
黒猫ちゃんのクッションの顔を
巴がむにゅむにゅと揉んで
そのビーズクッションの感触を
楽しんでいると。

『気に入って貰えましたか?巴さん』

コーヒーカップを2つ持った港斗が、
どうぞと…淹れたてのコーヒーを
巴の方に差し出して来たので。

猫のクッションを、足と胸の間で
抱えると、自分の手で
彼からカップを受け取った。

「あっ…あの…、港斗…君…今の…」

私が、港斗君がキッチンに居るのに
すっかり自分の世界で
猫のクッションと戯れていたのを。

全部…キッチンから彼に、
ばっちりと見られていたのではと。
港斗の顔を下から不安そうに見ていて。

『ああ、さっきの可愛らしい
クッションと戯れる巴さんですか?
僕としては、今抱っこされてる
そいつと場所を変わって貰いたい位ですよ』

「この子…と…交代…ッ」

『だって、巴さんを
独り占めは狡いですからね』

巴が座って居る場所の隣に
ぴったりと港斗が引っ付いて座ると。
巴の抱いている猫をその手に取った。
こっちの膝と、自分の膝の間に
猫のクッションを置いた。

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