素敵な飼い主様
第7章 戻れない
やっと解放されたのは、12時を知らせる鐘が鳴ったときだった。
怒る気力なんてなくて、腰からふにゃふにゃ・・・と床に座り込む。
そんなあたしを、逃がさないとでもいうようにまた両手で囲う。
「ねぇ、紫苑。もう一度言うよ?俺の元に、帰って来て?」
「無理・・・です・・・っ」
「これを見ても、そういえる?」
「・・・え?」
すっと椎名様がだしてきたのは、茶色い封筒。
それを受け取ると、「あけて」といわれたから開けてみると・・・。
「・・・!!」
「こんなことしてたんだよ?あの二人は。藤林様は、こうして怪我してる君を放って、他の女を抱いてたんだよ?」
つぅ・・・といやらしい手つきであたしの頬を撫でる。