素敵な飼い主様
第7章 戻れない
気持ちいいけれど、まるで。
神矢と出会う前に戻ったような気分だった。
ただ、お金目当てで自分を売っていた、あの日々に。
川城さんには、内緒にしといてって頼んだけれど、心の奥底では、神矢に迎えに来て欲しいって思ってた。
”あなたは、椎名様の元へ行って、幸せになれるのですか?”
車に乗せてもらったとき、そう言った川城さん。
「っく・・・!紫苑・・・ッ」
「ハァンッ!!アッあぁっ!!」
一生懸命、あたしに愛を伝えてこようとする椎名様。
首元が寂しくなってしまったあたし。
”絶対に、はずすな”
大好きだった、彼。