慕情
第54章 複雑な心境…
【複雑な心境…】
「…ちゃん……お姉ちゃん…?どうしたの?」
月詠は幼子の掠れた声で我に返った…
「…えっ?…お姉ちゃん…?」
その幼子は
月詠を心配そうにしながら、そう言うと…
「アッハハ…坊や…
蜂蜜飴をくれた人は女人ではないぞ?
月詠は健康男児で私の立派な我が子だ…
つまり、お姉ちゃん、ではなく、お兄ちゃん
と呼んだ方が良かろうな…」
貴女様は幼子に微笑み、そう言うと…
「あっ、ごめんなさい…月詠お兄ちゃん…
綺麗な、お顔をしていたから…」
その幼子は
ポッと頬を染めながら、そう言った…
「アッハハ…
いやぁ綺麗な顔だなんて照れるなぁ…
褒めても何も出ないぞぉ…」
と、言いつつ
月詠は、また蜂蜜飴を幼子に渡した…
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