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不倫白書 Ⅰ

第1章 初めての不倫…

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 ラブホのドアを開けるなり、彼は強く、そして後ろから羽交い締めに抱き締めてきて…
 熱いキスをしてきた。

 そのキスは、正に、わたしにとっては熱く、激しいキスといえる…


「あ……ん……う…あ…ぁぁ…」 

 窒息してしまうんじゃないか、と、いうくらいに長く、激しく、唇を吸われ…
 わたしが唇を離そうとする度に、彼は逃がすまいと頭を押さえ、舌を絡め、吸ってくる。

 普段の夫とのキスはせいぜい10秒程度だったから、驚いてしまったのだが…
 そもそもキスがこんなに感じるなんてと、もっと驚いてしまっていた。

 そして、このキスが心とカラダを蕩かしてきて…
 すっかり脱力してしまい、膝から崩れ落ちてしまう。

 そんなわたしを彼は抱き締め、抱え、ベッドへと寝かせてくれ…
 キスをしながら、服の上から優しく撫で回してきた。

 またその愛撫が心地良く、心とカラダの緊張感を柔らかく解してくれる…


 そして更に唇を吸い、舌を絡め、唾液を交わし…
 ブラウスのボタンを器用に外してくる。

 今夜のわたしは、一応、パート帰りに映画観賞をし、その帰りに一人でイタリアンレストランで食事をしようと考えていたから…
 普段のパート通勤のラフな格好では無く、少しだけお洒落を意識したシルク調のブラウスにカーディガン、膝丈のプリーツスカート、そしてヒールという、自分の中での最低限ではあるが歳相応なお洒落なつもりのファッションではあった。

 だが、このいきなりの、いや、予想もしなかったこの展開に…

 そして、この流れに…

 器用にブラウスのボタンを外してくる彼の指先の動きに…

 慌ててしまっていたのである。


 それは…





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