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競馬日記

第2章 命

もちろん 妊娠中も命懸けだ。
シーザリオも子宮破裂でこの世を去ったのだ。
そう シーザリオを管理していた角居調教師の引退する前日に。

そして 出産したあともだ。
疝痛になり 一時期子供と離れるが
退院したあとは 子供と一緒に暮らせる。

馬は 初仔(初めての子)は牝馬の方がいいと
言われてる。

牝馬だと すぐに立ち上がれるからだ。
生まれた娘に離乳する日までに
子育ての基礎を教えないとだめなのだ。

そうしないと 娘が子育てを放棄するからだ。
ベガは 漸く 5番目にして娘が生まれた。
だが ベガは離乳する前に 亡くなった。
ベガの娘は離乳する直前まで
教えられてないため 自分の子の背中を
噛んだ。
それ以降から ベガの孫たちには
乳母が付けられた。

牡馬は 生まれた牧場には帰れない。
帰られるのは 亡くなったあとか生まれた牧場からの
話だ。

スペシャルウィークも違う場所で
種牡馬していたが 
スペシャルウィークが種牡馬引退した暁には
彼が生まれ故郷で余生を送ることになっていた。

だが 彼が生まれ故郷にいたのは
わずか 1年だった。
自分のところで転び 様子を見ていたが
亡くなった。23歳である。

それを知った私は泣いた。
更に その3年後には
偉大な母だったシーザリオもこの世を去った。

実は この年、角居調教師が引退する1か月前に
サートゥルナーリアが現役引退していた。
シーザリオとシーザリオの子どもたちは
能力はあるのだが 足に不安があるのだった。
シーザリオもエピファネイアもサートゥルナーリアも
靭帯負傷で現役引退していた。

そのスペシャルウィークは
母と姉が眠るお墓の側で
眠ってる。

そう スペシャルウィークの子供たちを
見えるようにと。

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