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不倫白書Ⅱ

第1章 禁断の快感

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 また彼に…

 リョウくんに逢いたい…

 いや…

 抱かれたい…

 と、その夜は、一人ベッドで身悶えしてしまったのだ。


 一応、彼、リョウくんとは、次の映画館のサービスデイである来週の水曜日に約束を交わしてはいた。

 だが…

 まさか…

 こんなに心が疼くなんて…

 いや…

 カラダが疼くなんて…

 想像さえしなかった。

 たった一日で…

 あのワンナイトの逢瀬で…

 わたしの中のメスの本能が…

 目覚めてしまったようであったみたいだった。


 ううん、違う…

 目覚め、覚醒したのだ。


 それは…

 メスの持つ…

 オスという存在を求める本能の覚醒ともいえたようであった。


 まず外観が…

 化粧が…

 ファッションが…

 そして顔付き、表情、目の色艶が…

 変った様なのである。



 その次の金曜日のパートの退勤時に…

『あら、マリさん今からどこかにお出掛けでもするのかしら?』
 と、今まで殆ど話しをした事が無い、パート仲間にそう声を掛けられたのである。


『え、いえ、な、なんで?』
 わたしは慌てて、いや、違和感を感じながらもそう返した。

『え、ううん、なんか今日の服装がお洒落かなぁって?…』
 すると、そのパート仲間の彼女がそう云ってきたのである。

『え?、お、お洒落って?』

 わたしが動揺しながら呟くと…

『あぁ、そう、わたしも今朝のマリさんの姿を見て、そう思ってましたよぉ』
 と、もう一人のパート仲間が、いや、今まで殆ど話した事ない彼女までもがそう云ってきたのである。

『え、あ、いや…』
 わたしはやや動揺していると…

『ホントよねぇ、そのワンピース素敵だからぁ…』
 
『うん、そうよね、素敵だわぁ』

『それにぃ、今日のお化粧もさぁ…』

『そう、今までとは違う感じに見えるしぃ…』

『うんそう綺麗よねぇ…』
 等々、そんな褒め言葉を次々と云ってきたのた。

 確かに、今朝、一度着た服を止めてこのワンピースを着た…
 という流れはあったにあったのだが、ただなんとなくであり、その着替えは無意識であったのだ。

 だが…

 それは…

 後になって冷静に顧みると…

 男の目を…

 いや、無意識にオスの目を意識したメスの本能の導きの変化だったのかもしれない…



 
 

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