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バニーガールホール

第10章  深夜…1時過ぎの巣穴



ボトルキープすれば…
18万~20万ぐらいの
値段になる…酒…なのだそうだ。

濃厚な色をしたウイスキーを
ユイがテイスティンググラスに
注いで…、チェイサーを用意する。

グラスをこちらに向けて来たので
お互いのグラスをチンと鳴らした。

滅多に…飲める物じゃないから…
グラスに鼻を近付けて
その濃い琥珀色の液体の香りを嗅いだ。

長時間熟成された…重さのある…香。
香ばしさにも甘さにも似た
ローストした…チョコレートの様な…
それでいて…フルーティーで…
レーズンや…杏…の様な香も感じる…。

『山崎は…初めてで?
これよりも更に熟成された25年の
山崎も…あるにはあるんですよ…?』

「そんなもん…値段がこえぇよ…」

『流石にキープされてる
お客様はおられませんが……、
もし…ボトルキープするなら…
150万とかになりそうですけども…』

そう言ってくすくすくすと
ユイが口元を押さえながら笑った。

あまり…自分から…あれこれと
話をするユイではないが、
お酒の事を話している時のユイは…
嬉しそうだし…いつもよりも…
その声に感情の色が…聞いて取れる…感じで。



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