バニーガールホール
第1章 長い夜の始まり……
結婚結婚…結婚…のアピールが
凄くて……俺がいいとか言うより、
結婚しか見えてない感じで……
その先輩とは…1年しない内に別れた。
それから…もうなんか…疲れて…。
そっちは風俗で済ませてる…、
同棲してた年下の女よりも…
よっぽど…口煩くないし…金も要らない。
俺は今の生活に、満足をしている。
そう…思い込む…ことに徹していた。
キミ出会うまでは。
駅からは少し離れた…裏通りにある
居酒屋やラーメン屋、炉端焼きが
集まっているオッサンが仕事帰りに
溜まってそうな…雑居ビルが
その辺りには…いつくかあって。
俺は…足をあるビルの前で止めた。
その店の煉瓦の壁には…ネオンサインで
描かれたウサギのイラスト。
看板らしい看板もなく…ネオンサインは
光っているから営業中なのだろうが
店の名前らしい物は何も情報がなく
何の店か分からない。
ステンドグラスの嵌った
装飾のされたドアの向こうに
ステンドグラス越しに明かりが見えた。
ドアには『OPEN』と書かれた
プレートが掲げられて居て。
今はその店は営業中の様だった。
夜の闇に浮かぶ…その明かりに
俺は引き寄せられる様にして、
その店のステンドグラスのドアを開いた。