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2人きりの夜から

第10章 10

次の日、数学の授業が終わると

「川田、今日の放課後数学教室に来るように。全員分のプリント回収して持ってきて、頼んだ。」

大野先生にそう声をかけられてドキッとする。会えると思うと少し嬉しかった。

放課後言われた通りに、プリントを持って数学教室に行く。

「待ってた、プリントありがとう。すぐ帰るよな」

「はい、でも少しだけなら大丈夫ですよ」

「今日から光輝と2週間だよな。」

「はい」

「そうかぁ、光輝とあんま仲良くしないでとか言いたくないけど、言わせて。」

「先生……」

「たまにでいいからここに来てほしい」

「わかりました」

私はギュッと抱きしめられる。正直、複雑な気持ちで私最低だなって惨めにも感じる。

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