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HEAVEN~時を超えて~

第3章 錯乱

『・・・』


『よし、行こうか』



真に靴を履かせて玄関に立つ




『・・・』



少し黒目を動かしたような気がしたけど
彼女が意思を見せるまで、逆に意思表示を強要することもしない



『よいしょ…』


真を抱き上げてそのまま外に出る




『・・・~…』



そこにも抵抗せず
彼女は僕の腕の中にいた





『ほらマコト?今日は風も気持ち良いよ』


『・・・~』



キョロ・・・



緑の中を進むうちに
真は少しずつ顔を上げて周りをみるようになった




ギュ・・・



小さい手が僕のシャツの胸元を少し握っている




『マコト…降りたい?』



『・・・~…』



僕の方は見ないけど、その首は微かに縦に動いた





トン…

緑色の絨毯になっている場所で真を降ろして



『歩こうか』



そのまま手をとってゆっくり歩いて回った



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