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HEAVEN~時を超えて~

第5章 真相を知らば

目的地中心部に入る前
人目につかない路肩に停車して
真のアイマスクと手錠を外す



『眩しくなるよ…ゆっくり目を開けてね』




『ん・・・』




『ふふふ…結構寝てたでしょ?』




『〜〜〜…』



『昨日あんなにはしゃぐからだよ』



少し恥ずかしそうな素振りをしながら目をこすり
真は車窓の外をそっと眺めた



『ゎ……ぁ…』



彼女にとってはいつぶりに目にする景色


ビルがあって人が行き来している
動いている街並みの景色だ


車を停めて真に小さなポシェットを斜め掛けする



『?・・・なに?』



『ふふ…いくらなんでも手ぶらじゃ怪しいでしょ?』



『ぁ…』



『迷子に間違われた行けないからね…クスクス』




『な…』


真は途端に顔を紅くした



『降りようか』


『うんっ…』



真はスキップするような足取りで歩き出し
僕はたまらず少し足早になった




『ねぇねぇ…ここはどこ?

ぁは、どこでも良いや…園芸屋さんとかあるの?』




『うん、たしかあの先に…

そうそう、それも良いんだけど

せっかくならマコトの新しい洋服も見ようかなって思ってるけど、どう?』




『ぃ…いいのっ?』




『もちろんだよ。今日は羽をのばして』




『っ…ぁ…ありがとうっ…』



真は…本当に太陽のように笑って
繋いでいた僕の手を、小さな手でうんと握り返して
また歩き出した

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