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O……tout……o…

第1章 おとうと

 19

「す、すごい……んだね…」
 わたしは顔に飛び掛かった精液をティシュで拭いながら思わずそう呟く…
 そうすごい、凄かった。

 その吹き飛ぶ勢いと、その量、そして精液特有の匂い…
 その全てがんたしにとっては初めてであり、にわか仕込みの知識の遥か上を、ううん、想像以上の、一瞬の出来事といえる。

 そしてそういった意味での感嘆なコトバであったのだが…

「あ、そ、そんな、すごいだなんて…」
 しんちゃんは、恥ずかさで消え入る様な小さな声で言ってきた。

「だって、凄くたくさん…
 後から後から出てくるんだもの…」

「そ、それは…
 あ、だけど、ごめんなさい…」
 そう呟きながら、突然謝ってきたのである。

『え?』

 なぜ、謝ってくるのか?…
 わたしはそんな想いでしんちゃんを見つめる。

「あ、え、だ、だって…」
 そう小さな声で呟きながら、右手で掴んでいるわたしのピンク色のパンティを見つめ…

「あ、ぁ、あのぉ…そのぉ…こ、これ…
 り、律っちゃんの下着を悪戯して…
 ご、ごめんなさい……」
 そうモジモジと下を向き、呟きながら、ベッドの上で謝ってきた。

「あ…う、うん…」
 だけどもうわたしは、さっきのしんちゃんの爆発的な射精の驚きでそんな事など忘れていた。

 それに、この男子の下着弄り等がそこまで異常な事では無いんだと既に先輩達から聞いていたから…
 そこまでのわだかまりの想いは無かった。

 それより、予想だにしなかったこの流れと、リアルな男子というより、このかわいいしんちゃんがこんなことを…
 いや、いつの間にかに、オトコになってたという事実を目の当たりにし、そして…
 なによりのいちばんの衝撃は…
 このしんちゃんの爆発的な射精の場面であったのだ。


 そして秘かに感じてきている、自分のカラダの奥の、いや、奥深くの未知の領域の…
 ウズウズとした疼きに…
 戸惑いと、困惑の想いを感じできていたのである。

『女だってスるのよぉ…』

『さてはぁ、律子はシた事無いんだぁ…』
 そして先の先輩からの性講座の時に聞いたもう一つの衝撃の言葉が、グルグルと脳裏を巡ってくる…

 それは自分でスるという事。

『女だってオナニーするのよ…』
『わたしはたまぁにシてるわよ…』

 そう心に浮かび…
 ジンジンと疼きが強くなってきていた。




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