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O……tout……o…

第1章 おとうと

 26

 あの夜にしんちゃんが忍んでさえ来なければ、この後、いや、次の日からは無かった事にできたのかもしれない。

 だが、もう、無かった事には出来ずに…
 いや…
 こうしてお互いに求め合い…
 禁断で背徳という…
 まるで麻薬のような快感に溺れ、陥っていく事となったのだ。
 
 わたしはこの夜をきっかけに…
 カラダの疼きが…
 いいえ、子宮の想いが初めて心を支配し…
 オンナとして、いや、メスとして目醒め、覚醒してしまった。

 そして多分、しんちゃんも…

 
「あ、あーちゃん…」
「し、しんちゃん…」 
 自然に、お互いを求め合う様な熱いキスを交わしていく。

 二人とも、当然、夕方のあのキスが初めてであったのだが…
 不思議な事に…
 誰かに教わった訳でもないのに、スムーズに…
 情熱的に互いの舌を絡め合い、舌を吸い、そして、甘い唾液を交わし…
 心とカラダを゙昂ぶらせていった。

「はぁぁ…」
「あぁん…」
 しんちゃんは、もう拒否される心配が無い事を察知しての情熱的で大胆にキスをしてきた。
 そしてわたしは…
 そんな彼の唇を、舌を、すんなりと受け入れていた。

 もうわたしには、拒否するという選択肢は皆目無かった…
 いや、思い浮かびもしなかった…
 ううん、すっかりオンナの本能の想いに支配されてしまい…
 求めてしまっていた。

 あの夕方の、強烈で、激しい快感が…
 まだ理解しきれてはいなかったが、無自覚の絶頂感が…
 欲しくて堪らなくて、カラダの奥深くを゙疼かせ、昂ぶらせ…
 求めていたのだと思う。

 そしてわたしはついに…
 禁断の誘惑の扉を開いてしまったのだ…

「はぁぁ、し、しんちゃん…
 こ、こんなに固く、熱くなってる…」
 さっきからお腹に当たっている、脈打つ感触に触れて、そう囁いた。

「あっ、あ、あーちゃん…」
 小さく、ブルッと震える。

『男はねぇ、射精したいのよ…』
『射精しちゃえば落ち着くのよ…』
『なんかさぁ、勃っちゃうと痛いみたい…』
『出さずにはいられないんだってぇ…』
 先輩のあの声が、脳裏を゙巡ってくる。

「ね、ねぇ、い、痛いの?」
 無知が故の間抜けな問いかけといえた。

 だけどしんちゃんは…
「う、うん…」
 コクンと頷いたのだ。

「ど、どうしたい…どうすればいいの?…」


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